福岡市在住の友人が「宮原坑を見たい」と言うので、再び宮原坑を見学してきました(∩´∀`)∩
以前、見学したときの記事はコチラ↓
今回は普通の?ガイド三澤さんに案内してもらいました。
社宅・ポンプ室の壁・やぐら・巻揚げ機室について色々教えてもらったので、この記事で紹介します。
現在はポンプ室は取り壊されていて、壁だけが残っています。
社宅跡
まず、入口のすぐ近くにある三井鉱山の社宅です。
二世帯がはいる社宅です。
一世帯分はココのスタッフの休憩所や物置のように使われています。
もう人世帯は、当時の生活ぶりを感じることが出来ます。
社宅の前にはテントが張られていて、観光客の休憩所とお土産屋さんになっています。
台所は土間になっています。
流し台はタイル貼りです。今はステンレス製の流し台しか見かけないので新鮮に見えます。
お風呂は石炭で燃やして沸かしていたそうです。
二階に上がると居間があります。
ブラウン管のテレビには[8時だよ!全員集合]と映っています。
黒電話やオヒツ、コマ、ちゃぶ台など数十年前の日本が残っています(*´﹃`*)
ポンプ室跡
レンガの積み方には何種類かあって、この壁の積み方は[イギリス積み]です。
イギリス積みは、長手方向と短手方向とを一段づつ交互に積み上げる方式です。
こんな感じ↓
[二二二][二二二][二二二]
[二][二][二][二][二][二][二]
[二二二][二二二][二二二]
[二][二][二][二][二][二][二]
壁の一部に残る窓アーチの跡。
赤く塗りつぶしている部分はポンプ室です。
今はポンプ室が取り壊されていて、やぐら側の壁と、窓アーチの一部だけが残っています。
ポンプ室には、デビーポンプと呼ばれる巨大なポンプが4機あったそうです。
これで、炭坑内の湧水(地下水)をくみ上げていました。
この炭鉱は有明海の下まで掘り進んでいて地下水が大量に湧き出し、
汲み上げないとすぐに水没してしまっていたそうです。
デビーポンプはイギリス製で1893年当時の価格で22億円もする世界最大級排水ポンプです。
それが4台もあったんだから、炭鉱は儲かってたんでしょうね(^^♪
これは排水管です。
ポンプで汲み上げた地下水はここから排水路を通り川に流されていました。
汲み上げた地下水は汚れていて、排水先の川は古い地図には[悪水川]と記されているそうです。
こかから近くにある万田坑には沈殿池があり、排水は一度沈殿池でキレイにして排水していました。
竪坑やぐら
ヤグラの足元に来ました。奥には竪坑へのエレベーターが見えます。
その手前には、トロッコ用のレールが敷かれています。
レールは途中で切れていて鉄板が敷かれています。
レールの途中にある鉄板敷きは、もともとトロッコの方向転換のための旋回台がありました。
旋回台からは[せんたんば(洗炭場かな?)]に向かう架線があったそうです。
竪坑エレベーターに向かうレールの途中には安全装置があります。
安全装置はシーソーのように動いて、トロッコが勝手にエレベーター(坑口)に進入するのを防いでいます。
エレベーターがおりてる状態で、トロッコが坑口に向かうと落下してしまいます。
この写真の状態では、エレベーターからトロッコが出ていくときだけ、安全装置が下がります。
しかし、エレベーターにトロッコを載せないと石炭を積みだせません。
その時は、安全装置のそばにあるペダルを踏みこみます。
これで安全装置が解除されて、トロッコがエレベーターに向かうことが出来ます。
安全を確認した人がペダルを踏むことで、トロッコの事故を防ぎました。
エレベーターは天井が低く作られています。
身長170cmの僕の頭が当たるくらいの高さしかありません。
宮原坑が活躍していたころの日本人の平均身長は155cmだったからこの高さで十分だったそうです。
エレベーターの側面には安全装置が取り付けられています。
エレベーターのメインワイヤーが切れると、
半円形のブロックが柱に押し付けられて落下が止まる仕組みです。
半円形のブロックの先はノコギリの刃のようにギザギザになっていて、
木製の柱に食い込んで落下防止に働きます。
エレベーターを吊っているメインワイヤーは2年間で新品に交換していて、
この安全装置が作動したという記録は無いそうです。
坑口はコンクリートのフタでふさがれています。
坑口をふさぐと閉鎖交付金が出るのでふさいでしまったそうです:;(∩´﹏`∩);:
コンクリートの下には坑道が残っています。
巻揚げ機室
室内には大きなドラムがあります。
ドラムには二本のワイヤーが巻かれていて、それぞれが竪坑やぐらのエレベーターにつながっています。
ワイヤー二本で一台のエレベーターを吊っているので、どちらか一本切れても大丈夫な設計です٩(ˊᗜˋ*)و
ドラム右側に巻かれたワイヤーは、手前からドラム上を通ってエレベーターへ。
左ワイヤーは、手前からドラム下を通ってエレベーターにつながっています。
ワイヤーは直径が36mmで5トンの重さに耐えるものです。
このドラムを正転・逆転させてエレベーターを上げ下げしていました。
といっても、ここは室内で操作対象のエレベーターは見えないので、
メーターゲージや笛の合図でエレベーターの位置を確認していました。
メーターゲージについてはコチラ↓でチラッと触れています。
巻揚げ機室内にある掲示板には、[巻機とウインチの併用信号規定]が書かれていています。
笛「ぴっぴっ」でケージを巻く合図
「ぴっぴっぴっ」でケージ差しの合図
「ぴーーーー」で止め。
この合図は現在でもクレーンの合図として使われているそうです。
巻揚げ機の運転席。
ガイドさんが手をかけてるレバーを押し引きして巻揚げ機(ドラム)を操作していたそうです。
足元にはブレーキペダルがあります。
今であれば電動のモーターで動かして、簡単にON/OFFの操作ができるけど、
当時は蒸気機関で巻き揚げ機を動かしていて、操作は非常にむずかしかったそうです。
おわりに。
三澤さん、ガイドありがとうございましたm(__)m
おかげさまで友人たちは満足しているようでした\(^o^)/
宮原坑を見学するときは是非ガイドさんをお願いしてください、
とても楽しく勉強になりますよ(๑´◡`)
前回、宮原坑を見学したときの記事です。
この記事で紹介できなかったアレコレを書いています、興味がある方はぜひ読んでみてくださいm(__)m
おわり。
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